Fender Stratocasster 1976年前期製1977年1月出荷もの を持っている。
何処でここまで判るのかというと、出荷時期についてはシリアルナンバーである。それなりのドキュメントで調べがつく。
1976年製という事については、シリアルナンバーの位置とピックガートの色・ピックアップカバーの色である。
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1977年製はネックのヘッドにシリアルナンバーがある。僕のはネックジョイントプレートである。
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1976年から徐々にピックアプカバー・ピックガート等のパートが白から黒に移行し、1977年製は一応"全て黒"ということになっているが、過渡期のものは混合である。
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例えば、リッチーブラックモアのローズネック・白ピックガート・黒ピックアップカバーは有名だ。
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雑誌等で76年ごろまでの使用モデルを見ると、ボディーカラーはナチュラル・サンバースト・黒・白・etcだ。もっぱらメープルネックを使用していたのだが、76年ごろから白ボディにローズネックが多い。
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ウドーの77年の来日広告ではローズネック・白ピックガート・黒ピックアップカバーである。
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ジェフベックがローズネック・白プラスチックパーツを利用していた。ブレットトラスロッドなので72年以降のモデルだ。
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僕のは、黒ピックガード・その他白パーツ、である。76年の特徴。
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76年は、「全て黒ピックガード・その他白パーツ」と言い切っている本があるが、必ずしもそうとはいえない。75年との過渡期・77年との過渡期のものもある。
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77年は、「プラスチックパーツは全て黒」と言い切っている本があるが、必ずしもそうとはいえない。76年との過渡期のものもある。
ネックが多少逆ゾリしているが、非常に弾き易い。新品で入手してから毎日のように弾いているのでフレット交換の必要はある。しかし、トラスロッド調整が出来ない。空回りである。フレット交換やフレット整形時にはトラスロッド調整が必須だがこれが出来ないのだ。
Leo musicに勤めていた時に、小使い稼ぎでこのStratocasterを会社に貸した。この時に馬鹿な奴が弦を緩めずにトラスロッドを回しすぎたのだろう。グルグルの空回りで返ってきた。それも黙ったまま。やってしまった失敗を隠すところが最低!である。
「空回り」と言うと、大概の人はトラスロッドの頭に付いているナットが緩んでいる、と考えるようだ。僕の場合はトラスロッドのエンドの固定が外れたか、トラスロッド折れ、である。ネック作成時にトラスロッドを仕込んだネック裏の溝(スカンクストライプ)をルーターで開けてトラスロッドを交換出来ないこともないのだろうが、ギターリペアでそのようなメニューを掲ているショップを知らない。
ということでフレット交換をしたいのだがいまだ出来ないでいる。
とても新品を買うきにならない
ならばもう一本買ってしまえ、と考え、色と形状を絞って調べると、Fender JAPANの71というのとFender USA(実はMexico)70'sというのがあった。なぜか通常店頭においてあることがなく、吉祥寺の山野楽器でさえ「試奏でも取り寄せです。」という。昨年末に頼んで年明けの先日見てきた。
細かいヘッド形状とか、何か違うんだな。とても納得いかない。トレモロブロックやサドルもダサダサである。1996年に所有しているStratocasterのダイカストサドルを純正パーツの鉄のプレスサドル(当然インチサイズ)に交換しているので、現行のプレスサドルの出来の悪さが納得いかない。
ところがカスタムショップ製のレリックモデルに使用しているプレスサドルは僕が1996年に購入したものに非常に近く、
「探せばあるんじゃないの?」
「もしかしてMexico製に使用しているプレスサドルはFender JAPAN製の10.8mmのもの?」
なんて疑っている。
で音を出してみると、やたら硬く細い。店員さんは「いわゆる新品ですから」と言っていたが、あまりの悪さに納得しない。自分のStratocasterを取りだして鳴らしてみると音の違いが良くわかり、「僕のっていい音なんだなぁ」と再認識である。
弾き易さ・弾き難さも全然である。自分好みの調整をしてあるかしていないかの差もあるが、本来、弘法、筆を選ばずである程度の弾き方ができるものだ。ところが、自分のギターだと超上手く聞こえるが、新品はとても下手に聞こえるのだ。
全体的に駄目なようだ
先日、某オークションでFender USA製のトレモロAssyという出品が有り購入した。
届いた商品は例の如くダサダサであった。なんと本来ダイカスト製のトレモロブリッジよりも重いはずの鉄製トレモロブリッジが、1976年製のダイカスト製トレモロブリッジよりも軽い。
プレスサドルも例のダサダサであり、微妙に幅が狭い。11.3mmピッチではないようだ。先日見たFender USA(実はMexico)70'sと同じである。確かにUSA製なんだろうけれど、Custom Shop製やMaster Builderの本物!という感じが無い。
きっとFenderのカスタムショップ優位の営業戦略だな
Fenderの営業戦略で、グレードの良いものが欲しい時には、カスタムショップ製のビンテージモドキを購入せよ、ということなのかもしれない。レリックとかビンテージとか欲しくないが、現行のモデルも購入対象ではないな。
'69 StratocasterR, N.O.S. はやたらと高いしヘッドトラスロッド調整のブレットナットが付いていない。、Yngwie Malmsteen Stratocasterでスキャロップじゃないネックだったら良いのにな。
※ ロビントロワーシグネイチャーという製品があるということで吉城寺サウンドクルーに行くと「銀座店ならある」ということで山野楽器銀座店へ。ペグがFキーではなく、ロトマチックなんだな。で、現行品でラージヘッド・ブレットトラスロッド・ノンスキャロップ・FキーはFender JAPANのST-71というのとFender USA(実はMexico)70'sになってしまう。カスタムショップ・マスタビルダーにカスタムオダーすると2年待ちで60万から90万円だと!本物の74〜76年モノの中古(Vintage)探した方が良い価格である。
最近日本市場向けにFender USAで70'sモデルが出た。しかし、Webサイトとに記述は無い。山野のページにはある。
今日の格言:目を養う事
こんなオークションがあるのだ。
リグが成型になったSchallerではなく、細いポスト穴に対応している、ヴィンテージものです。
という一文がある。
60年代後半のStratocasterについているFender工場製の"Fキー"ペグと71年からシャーラーに委託している"Fキー"ペグがで穴径が異なるかどうかは知らない。シャーラー製のものが"リグが一体成形"がどのような意味をもつのかも知らぬ。ただ、
Fender社が"Fキー"導入以前に利用していたクルーソン・デラックスのシャフト径と僕の1976年製ギターに付いている"Fキー"ペグのシャフト径と同じである、ということは言える。
(僕はクルーソン・デラックスも持っているのだ!)
Fender社は67年ごろまでクルーソン社のDeluxというチューナーペグを利用していた。その後、"Fキー"といわれる"F"ロゴの入ったペグを自社生産する。71年にこの"Fキー"をドイツ・シャーラー社にし生産委託をする。生産委託によって寸法やデザインが変更になったという話は聞いていない。もしあったとするならば、世界中のストラトキャスター・マニアック本にデザイン変更の話が載っているはずだ。多分、寸法もデザインも同一であろう。
当たり前の話だが、シャーラーに委託したからといった在庫が一掃されるわけでもない。僕は前にも書いたように1976年ものを3本持っている。2本は前期でプレートシリアル、1本は後期でヘッドシリアルだ。前期ものはシャフトは先から根元まで同じ太さ・シャフト長も長い。後期ものは、現在店頭で購入できる"Fキー"と同様、シャフトの根元が階段状に太くなっている。かつ、シャフト長も前記者より短い。76年前期の僕が使用しているものはFender製Fキーで、後期ものはシャーラー製Fキーという可能性もある。
70年代当時、この"Fキー"はちゃちいのでグローバーやシャーラーのロトマチックタイプに交換するのが流行った。リッチーも交換していた。僕も楽器屋に交換を奨められたことがある。そんななか、1980年頃に読んだPlayerで、ジョーペリーが
「Fenderそのままだよ。だってそんな(みんなが言うほど音程は)狂わないし。」
と言っていた。ちゃちいペグだとチューニング時に「クキン!」と音程が変化することがあるが、この"Fキー"で「クキン!」があったことはない。硬くなって引っかかりが出ても、分解・清掃・注グリースすればスムースになる。
最近のビンテージブームで"Fキー"はシャーラー製と知った人もいるという。で70年前半でもビンテージということで"Fキー"に人気があるというのは歴史の皮肉だ。
出品者は60年代後半のStratocasterのものと言っているが、このマシンヘッドは1971年製以降(一部の説では75年以降)のFenderギターに付けられていたものとソックリである。なぜならば先に述べたように僕のStratocaster 2本にも同じモノがついているからだ。
僕は1977年出荷の1976年製Stratocasterを1977年に新品で購入した。このオークション出品者が中古で購入した1960年代後半のStratocasterが購入時点で"全て純正のまま"だったのかどうか判らぬ。出品者が持っていた60年代後半のStratocasterについている"Fキー"はシャーラー製の"Fキー"ペグに交換してある可能性もなくはない。まぁ、多分、シャーラー委託前のFender社製であろう。
シャーラー製"Fキー"はFender純正パーツとして現行製品である。ポストの加工精度は本物より落ちろが・・・。
※ こんなページを用意した。まあ見に来ておくれ。
おまけ
思いっきり→このページの情報って間違っているよなぁ。
追記:続、目を養う事:Jan 16 2006
本日、池袋のイシバシ楽器に行ってきたのだが、そこでFender JAPANのメンテナンス及びリプレイスメントとして販売している"Fキー"モドキを見てきた。これはかつての本物Fender USAで使用しているものと異なり、リグの付け根がダイカストで太くなっており、国産やグローバーなどの太穴のロトマチックタイプを、穴を狭くする加工無しにそのまま"Fキー"モドキに交換出来るという代物だった。
追記:何か違うんだよねぇ〜:Jan 16 2006
FENDER JAPANの71モデル・72モデル・YM仕様や、Mexicoの70'sでラージヘッドモデルが用意してあるのだけれど、微妙なカットの形状が違うんだよねぇ〜。
だいたい、Fender MexicoもFender JAPANも70'sの塗料がポリウレタンだからね。ネックだけならばUSA Fenderも1970年代はポリウレタンだから許すけれど、ボディーまでポリウレタンとはねぇ〜。ラッカーにしようよ。ニトロセルロースでなくてアクリルでも良いから。(Fenderのオールドでさえ、色によってはアクリルラッカーだぜ!全てがニトロセルロースということではないんだ!)
ロゴのフォントは同じなのだけれど、STRATOCASTERとOrigina; Conter Body Patentedの文字が微妙に太かったり、クリアー塗料の色が綺麗過ぎて、補修用でカールをコピー品に貼り付けたような違和感がある。(色焼けしていなくてもだ!)71年ごろから81年までのラージヘッドは、Fenderロゴの黒の面積が79年ごろから狭くなり縁取りの金色が太くなった事は合ったが、木材のカットの形状はそれなりに引き継いでいた。
当時は、オールドのスモールヘッドがもてはやされていたので、いまもその研究成果のお陰か、スモールヘッドについては今年の再生産品でさえ、違和感ない(らしい)。
※ スモールヘッドファンではないので。
ところがラージヘッドは81年を最後にしばらく作っていなかった事と、スモールヘッドほど研究されていないということなのか、とても変だ。 36万円もする'69 StratocasterR, N.O.S. は非常に本物の71年から76年モノに近いけれど。
だからと言ってまだビンテージというよりも中古といわれているギターでも、当時の定価より高く取引されている。(そりゃそうだ。30年経過しているのだから。 → ということは僕のギターも準ビンテージ?)
追記:コピーモデル:Feb 11 2006
Vintageショップで「Strat Crazyに行ってみたら?」とよく言われるので行って見た。1974年ものまでをメインで置いているので僕の欲しい1975to1976というものは無い。そして販売価格がとてつもなく高い。最近はVintageブームだとかで異常に値上がりしているという。1度上がってしまうと安くなる事は無いのでまず入手不可能だ。
でここのオーナーがいいことを言っていた。
「これが最後、という気で探すと決心がつく。」
また買えばいいという程度では高い買い物はしない事、という。さらに、現在のFenderの姿勢についても
「FenderがFenderのコピーモデルを作ってどうすんの?。」
とも。AnniversaryやThe stratoなどの限定モデルを除くと、1982年まではStratocasterは1種類しかなかった。もちろんカラーと指板の選択は出来たが、モデル名は同じである。これが19万前後から22万超程度で売られていた。
物価が異なるとはいえ、実売価格7万程度のものからカスタムショップで40万、マスタービルダーで100万弱という価格はよくわからん。全てカスタムショプグレードにして25万で売ればいいのに、と思う。もうFender JAPANの役目も終わったと思う。
初出 Jan 14 2006
最終更新日 Jan 16 2006
Hard Rock Band METAL
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New Song 2
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Equipment
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Harftone考
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Large Head考
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F-Key考